Chieli Minucci & Special EFX 「Genesis」 Chanachie(5407) 2013 - U.S.A.  


Chieli Minucci(guitar,kb,program), Jerry Brooks(bass), Lionel Cordew(drums), Jay Lowe(kb), Mino Cinelu(perc), Omar Hakim(drums), Lao Tizer(piano), Karen Briggs(violin), David Mann(sax,flute), Xu Feiyu(vocal), Vic Starsky(vocal)
  ○骨太いストレート系  ●明るく爽やか系  ○骨太系と爽やか系の中間 
  ○R&B                 ○ブラック系         ●歌物・NAC/AOR 系       
  ○ラテン系(□ブラジル系  □サルサ系        □カリプソ系)           
  ○ユーロ系            ○JAZZ系          ○JAZZとFUSIONの中間系   
  ○ブルース系          ○ロック系        ●その他

80年代から活躍するユニットSPECIAL EFXの最新スタジオ盤である。
90年代まではギタリストのチエリ・ミヌッチとパーカッションのジョージ・ジンダの双頭ユニットとしてスムースジャズの先駆者とも言えるような独自のサウンドで活動を続けてきたが、ジンダが97年に病床に倒れ2001年に死去して以降の2000年代にはいってからは実質的にミヌッチのソロ・プロジェクトになっている。

このミュー・アルバムは過去のSPECIAL EFXサウンドを思い起こさせるような曲もあるものの、1曲目からデヴィッド・マンのブレッカー系のサックスをフィーチャーしたファンク色の強い曲で始まり、過去のSPECIAL EFXとはかなり印象が違う。

そしてアルバムを聴きすすむつれてポップ色の強い曲、ヴォーカルをフィーチャーした曲がでてくるともっと印象が変わってくる。
4曲目の「Far Away」はポップなヴォーカル物なのだが、いわゆるスムース系のよくあるようなサウンドとは一線を画していて、どちらかというとロック系ポップス、それもプログレ系を連想させるようなサウンドだ。 しかもそのようなポップス系の曲でのミヌッチのギターはデイブ・ギルモア(あのピンク・フロイドのである)のフレージングを想起させるような部分さえもあるほどで、その哀愁をおびたブルージーで浮遊感のあるギターサウンドがこのアルバムの印象を決定付けているほどだ。
アルバム中盤から後半の数曲だけを抜き出してしまえばフュージョン、スムースジャズというよりプログレ系と言った方が収まりがいいかもしれない。

固定化されたジャンルの枠を超えようとしている意欲的なアルバムと言えるだろう。 (橋 雅人)

   
Slow                     Speedy
Light                     Heavy
Mellow                     Hard
Lyrical                     Cool
Melodious                     Out of melody/code
Conservative                     Progressive/Tricky
Ensemble                     Interplay