The Great Jazz Trio+ 「The Memorial of Hank Jones Unpublished Anthology」 Village Music/Eighty Eights (VRCL-18848) 2010 - Japan (SACD/CD Hybrid)  


Hank Jones(piano), Lee Pearson(drums), David Wong(bass), Jack DeJonette(drums), John Patitucci(bass), Billy Killson(drums), George Mraz(bass), Omar Hakim(drums), 坂井紅介(bass), Keiko Lee(vacal), 寺久保エレナ(sax), Tiffany(vacal), Raymond McMorrin(sax), Joe Wilder(tp), TOKU(vocal, fh)
  ○骨太いストレート系  ○明るく爽やか系  ○骨太系と爽やか系の中間 
  ○R&B                 ○ブラック系         ○歌物・NAC/AOR 系       
  ○ラテン系(□ブラジル系  □サルサ系        □カリプソ系)           
  ○ユーロ系            ●JAZZ系          ○JAZZとFUSIONの中間系   
  ○ブルース系          ○ロック系        ○ワールド系

2010年5月に亡くなったピアニスト、ハンク・ジョーンズの未発表録音を集めたメモリアル盤。

クレジットが単にグレート・ジャズ・トリオではなく、後ろに「+」がついているのは、全10曲中、6曲までにゲストが参加しているからである。
ゲスト参加は女性ヴォーカルがケイコ・リーとティファニー、男性ヴォーカルがTOKU,サックスで新人の寺久保エレナとトランペットのジョー・ワイルダーというラインアップで、ティファニーのみ2曲の参加となっている。
ティファニーの2曲のトラックは彼女のリーダーアルバムにハンク・ジョーンズが参加したアウトテイクとのことで、うち1曲は今回のリリースのためにヴォーカルのみ再録しているという。

またTOKU参加のトラックは元々はティファニーのアルバムのアウトテイクのヴォーカルをオーバーダブで差し替えたもの、ケイコ・リー、寺久保参加の曲はハンク・ジョーンズの録音に後からオーバーダブしたものだそうで、死後のミュージシャンとの共演という「Unfogettable」のようなちょっと異色の構成になっている。
しかし聴いてみると後からかぶせたような不自然さは一切なく、黙って聴かされたら「あれっ、こんなメンバーと録音していたの??」と思ってしまうに違いない。 ハンク・ジョーンズはマリリン・モンローの歌のバックで弾いていたことでも知られるが、こうして改めてヴォーカル・ナンバーを聴いてみるとそのジェントルなタッチとヴォーカルとのマッチングはなかなかのものである。

また寺久保のサックスが新人とは思えない枯れ方で、ハンク・ジョーンズの世界に溶け込んでしまっているのには驚かされる。

単に未発表録音を集めただけではないユニークなトリビュート盤である。 (橋 雅人)

   
Slow                     Speedy
Light                     Heavy
Mellow                   Hard
Lyrical                     Cool
Melodious                   Out of melody/code
Conservative                     Progressive/Tricky
Ensemble                     Interplay