Hiromi's Sonicbloom「Time Control」Telarc (CD83655) 2007 - U.S.A.  
上原ひろみ(kb), David Fiuczynski(g), Martin Valihora(drums), Tony Grey(bass)

  ●骨太いストレート系  ○明るく爽やか系  ○骨太系と爽やか系の中間 
  ○R&B                 ○ブラック系         ○歌物・NAC/AOR 系       
  ○ラテン系(□ブラジル系  □サルサ系        □カリプソ系)           
  ○ユーロ系            ○JAZZ系          ○JAZZとFUSIONの中間系   
  ○ブルース系          ○ロック系        ○スパニッシュ系

上原ひろみの新作は従来の自己のトリオにストリーミング・ヘッドレス・トルソーズなどで知られるギタリストのデビッド・フュージンスキーを加えたHiromi's Sonicbloomと名付けられたバンド編成になっている。

アルバム全体のサウンドはディストーションを効かして変態フレーズを繰り出すフュージンスキーの全面参加によって従来の上原のサウンドから大きくエレクトリック路線に振れた内容になっている。 上原自身の演奏も従来の作品ではアコースティック・ピアノを中心に演奏し、ここぞというアクセントとしてシンセ・サウンドを使用していたバランスが逆転してしまっているようだ。

またブルース色、ファンク色が薄かった従来の上原のサウンドだが、フュージンスキーの参加によってより粘っこい味が加わったことはサウンドにプラスに作用しているように感じる。

ギタリスト参加のある意味古典的ともいえるフュージョン・バンド編成で、時折ギターとシンセの高速ユニゾンや変拍子を交えた硬派なジャズ・ロック系サウンドはこの手の音が好きなひとにはたまらないだろうが、逆にアコーステック系のファンは戸惑うかもしれない。

J-Popかと勘違いしてしまうようなジャケット写真でジャケ買いするとだまされてしまうようなコアなアルバムだ。

日本盤はボーナス・トラックが1曲追加されているが、アメリカ盤のSACD/CD Hybrid盤には5チャンネルのサラウンド・ミックスも収録されておりファンにとっては悩ましいリリースになっている。(橋 雅人)

   
Slow                     Speedy
Light                     Heavy
Mellow                     Hard
Lyrical                     Cool
Melodious                     Out of melody/code
Conservative                     Progressive/Tricky
Ensemble                     Interplay