| ピアニスト、ハル・ギャルパーの1970年録音のデビュー作の初CD化。ブレッカー・ブラザーズの最初期の参加作ということでコレクターの間では希少盤とされていた作品でもある。
 
正統派ジャズ・ピアニストというイメージがあるギャルパーだが、この作品では全編でエレクトリック・ピアノを演奏しており、この録音の前年に発表されたマイルス・デイビスの「Bitches Brew」の影響をもろに受けたような雰囲気になっている。
 
ドラマーが2人クレジットされているのは曲によって交替しているのではなく、ツイン・ドラム編成でポリ・リズムを生み出しているし、ブレッカー兄弟とともにドリームスにも参加していたギターのボブ・マンのファンキーなカッティングや、ランディー・ブレッカーのエフェクターを効かしたエレクトリック・トランペットはマイルス・バンドからの影響というよりは同時代的であり、先を行っている部分もあるように感じられる。
 
この時点で若干21歳のマイケル・ブレッカーの演奏は既に素晴らしい切れ味で大物振りを覗かせている。1曲目のソプラノ・サックスでのソロは初期の演奏ならではのものだ。
 
思いもかけないCD化作品なので入手できるうちに入手しておくべき作品だろう。同じくブレッカー・ブラザーズが参加しているハル・ギャルパーのエレクトリック路線の2作目にあたる「Wild Bird」の初CD化も期待したい。
(橋 雅人)
 
 
 
|  |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  
| Slow |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  | Speedy |  
| Light |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  | Heavy |  
| Mellow |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  | Hard |  
| Lyrical |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  | Cool |  
| Melodious |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  | Out of melody/code |  
| Conservative |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  | Progressive/Tricky |  
| Ensemble |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  |  | Interplay |  |