Gil Goldstein「Under Rousseau's Moon」Half Note (4527) 2006 - U.S.A.  
Gil Goldstein(piano, accordion), Don Alias(perc), Randy Brecker(trumpet),Richard Bona(bass,vocal), Mike Mainieri(vibe), Chris Potter(sax, b.clarinet), Joyce Hammann(violin), Lois Martin(viola), David Edggar(cello)

  ●骨太いストレート系  ○明るく爽やか系  ○骨太系と爽やか系の中間 
  ○R&B                 ○ブラック系         ○歌物・NAC/AOR 系       
  ○ラテン系(□ブラジル系  □サルサ系        □カリプソ系)           
  ○ユーロ系            ○JAZZ系          ●JAZZとFUSIONの中間系   
  ○ブルース系          ○ロック系        ○その他

アレンジャー、キーボード・プレイヤーとして活躍するギル・コールドスタインのブルーノート・ニューヨークでのライブ盤。
いつもユニークなアレンジを聴かせるゴールドスタインだけにバンド編成もドラムレスでストリングス・トリオが加わるというユニークなもの。
ちなみにストリングス・トリオはギル・ゴールドスタインがアレンジを勤めていたマイケル・ブレッカーのクインデクテットの来日メンバーだった3人だ。

取り上げている曲で目を引くのは「Liberty City」,「Three Views Of A Secret」などジャコ・パストリアスの曲を4曲も取り上げているうえ、「Donna Lee」もカバーしていることだ。
「Donna Lee」はストリングス・トリオがあの高速テーマを奏でていて意表をついたアレンジだが、「Liberty City」と「Three Views Of A Secret」は意外なほどジャコのアレンジに忠実だ。
当然のごとくこのあたりの曲ではボナのベースは最高の切れ味を見せている。

また参加メンバーのR.ブレッカー、マイニエリ、ボナの曲も1曲づつ取り上げていて、ブレッカーは「Some Skunk Funk」、マイニエリは「Sara's Touch」とファンには嬉しい選曲になっている。
「Some Skunk Funk」はかなり原曲を崩したアレンジになっているが、あのテーマはそのまま。
「Sara's Touch」の方は途中からテーマがポッターを交えた2管で吹かれるのでかなり厚みのある印象になっている。

聴き所が盛りだくさんなアルバムだが、あと忘れてはいけないのは3月に亡くなったドン・アライアスの最後期のレコーディングにあたることだろう。ドラムレスなのでリズムの中核を担っていて、短いながらもソロもフィーチャーされている。

ギル・ゴールドスタインのアレンジはちょっとクセがあるところもあるが、ニューヨーク系フュージョン・ファンなら間違いなく楽しめる内容のアルバムだろう。 (橋 雅人)

   
Slow                     Speedy
Light                     Heavy
Mellow                     Hard
Lyrical                     Cool
Melodious                     Out of melody/code
Conservative                     Progressive/Tricky
Ensemble                     Interplay