Rippingtons「Wild Card」Peak Records(PKD85272)2005 - U.S.A.  

Russ Freeman(gt,etc)  Bill Heller(key)  Eric Marienthal(sax) Kim Stone(b)  Scott Breadman(perc)  Dave Karasony(ds) / Special Guests : Albita, Willy Chirino, Chante Moore, Ozomatli
○骨太いストレート系 ●明るく爽やか系 ○骨太系と爽やか系の中間
○R&B系 ○ブラック系 ○歌物・NAC/AOR 系
○ラテン系 (□ブラジル系 □サルサ系 □カリプソ系)
○ユーロ系 ○JAZZ系 ○JAZZとFUSIONの中間系
○ブルース系 ○ロック系 ●スムース系
 
  これは快作ですね!
  グループ作品としては前作「Let It Ripp」以来丸2年振りということになりますが、その間、ラス・フリーマンは、例のデヴィッド・ベノワとのプロジェクト作品も出しており、活動は大変精力的です。フュージョン系では今最もノッているミュージシャンおよびグループといえるでしょう。

  さて今回の作品ですが、一聴してすぐ気付くのは、ラテン・フレーバーを強く意識した作品だということですね。ラテンの要素はフュージョンには付き物ですが、今回特にその傾向を強く感じます。アルバム前半ではアコースティック仕立ての曲が中心で、前作ベノワとの共作の延長?あるいはピーター・ホワイト流アコースティック作品にくら替えか?なんて思わせたりしますが、そこは一筋縄ではいかない彼ら、前半でややマニアックな方向へ行くかと思わせて、後半以降は本来の爽快感あふれるエレクトリック・フュージョンを存分に披露しています。
 また今回のもうひとつの特徴は、ゲストにヴォーカリストをずらりと配置し、ヴォーカル曲にかなり重きを置いている点でしょう。この点、AOR指向も強く、結果、アルバム全体としてはとても賑やかで楽しい内容になったと思います。ラテン指向にしろ、AOR指向にしろ、今日のコンテンポラリー・ジャズの動きを鋭敏にとらえており、シーンを引っ張っている自覚と誇り(?)に満ちているといってもいいでしょうか。
  また楽曲は、前作あたりから、従来の彼ら独特のメロディーラインから、より大人っぽい雰囲気のものへと変わりつつありますが、今作でもより洗練された曲作りになっています。作品一つ一つは比較的コンパクトにまとまっていますが、その中でも各楽器の聴かせ所はしっかり確保されており、フリーマンのギターは言うに及ばず、サックス、キーボードも要所要所で効果的に配されています。スムース系といえども甘口に過ぎず、よく計算された内容だと思います。

○夏のドライブにピッタリ。日本盤(ビクターから)もあります。Jフュージョンファンにもおすすめできる作品です。(セリエJ)
   
Slow       Speedy
Light   Heavy
Mellow   Hard
Lyrical     Cool
Melodious   Out of melody/code
Conservative     Progresseve/Tricky
Ensemble   Interplay