Ulf Wakenius「Notes From The Heart」ACT(9435-2)2005 - Germany  
              

Ulf Wakenius(g),Larsen Danielsson(b,p),Mart Lund(ds)

○骨太いストレート系 ○明るく爽やか系 ○骨太系と爽やか系の中間
○R&B ○ブラック系   ○歌物・NAC/AOR 系
○ラテン系(□ブラジル系 □サルサ系 □カリプソ系)
○ユーロ系 ○JAZZ系 ○JAZZとFUSIONの中間系
○ブルース系 ○ロック系   ●ECM系

ギタリスト、ウルフ・ワケニウスのキース・ジャレット・カバー集です。

これに「!」と思ってしまったのですが、それには少し複雑な訳があります。
今でこそオスカー・ピーターソンのバックも勤めるワケニウスですが、デビュー当時はパット・メセニーのそっくりさんということで仲間内で話題になっていました。
そのメセニーといえば、キースと同じECMレーベルだったこともあり、またいくつかの共通点のようなものを見出せるにも関わらず、ジャレット&メセニーの共演は全く無い(はず?)ですし、お互いのオマージュ的なものも何一つ見当たりません。
なので、ワケニウスには悪いのですが、これは「もしもメセニーがキースの曲をカバーしたら?」という擬似演奏として聴くことが可能かもしれないという、妙な期待を持ったからです。

しかし、その妙な期待ですが、実際この作品はまさにその期待通りの演奏になっていました。
本作では全編ナイロン弦ギターを弾くことで、あえてメセニー・ライクという演奏を行っています。
また、アレンジもメセニー風になっているので、知らないで聴くとメセニーの演奏に思うかもしれません。

それと選曲ですが、キース・ジャレットは意外に寡作なのですが、よくこれだけカバーできそうな曲を集めたものだと感心しました。
しかし、キース・ジャレットの曲というのは素材だけであり、本作の演奏からはキース・ジャレットらしいと感じるものはありません。
むしろ、演奏はパット・メセニーばかりを連想してしまいました。
なので、本作はキース・ジャレット・ファン向けというよりは、パット・メセニー・ファン向けと言えるかも知れません。

ただ、それらの事を考える必要がないほど、本作は十分魅力的な作品です。
ナイロン弦の響きが優しく、暖かく、寒くなりつつある今の季節にピッタリです。
なにか心優しげなギター・サウンド(特にメセニー系)が好きな方にはオススメしたい作品です。

# こういうハート・ウォームな作品が季節的にピッタリですね。(TKO)
 
 
   
Slow                     Speedy
Light                     Heavy
Mellow                     Hard
Lyrical                     Cool
Melodious                     Out_of_melody/code
Conservative                     Progresseve/Tricky
Ensemble                     Interplay