アキコグレース「Tokyo」SAVOY(COCB-53128)2004 - JAPAN  

アキコグレース(pf), 藤原清登(b), 岩瀬立飛(drs)
○骨太いストレート系 ○明るく爽やか系 ○骨太系と爽やか系の中間
○R&B系 ○ブラック系 ○歌物・NAC/AOR 系
○ラテン系 (□ブラジル系 □サルサ系 □カリプソ系)
○ユーロ系 ○JAZZ系 ●JAZZとFUSIONの中間系
○ブルース系 ○ロック系
 前から気にはなっていました。
「かごめ、かごめ」、「春咲小紅」、「おぼろ月夜」、「島唄」といった日本の曲をやっていることが分かり、入手しました。

 話は変わりますが、ある雑誌に「真のグルーバル化はナショナリズムの追求である」というような記事があります。
これは経済関係の内容ですが、かつて日本がバブル期に経済が絶頂を極めた時に日本式経営が全世界の経済をリードし、日本式経営が各国を真似を始めた。
というような内容であったと記憶している。この「グルーバル化はナショナリズムを追求する」ということは音楽にも当てはまるなぁ〜と思いこの記事を読んでいました。
例えば、ブラジル音楽なんかはこの例に当てはまりますよね。ブラジル特有のリズムはFusionブームの時に「トロピカルサウンド」とか言って盛んに取り上げられていて、今やブラジルサウンドはFusionサウンドを支える一つの潮流となってます。

 何故、突然この話をしたかというと、日本のFusionミュージシャンが海外に飛び出して成功している例が少ないからです。日本で超人気のカシオペア、T-スクエア、ディメンション等は海外のFusionファンなら誰でも知っているか?というと残念ながらそうではないと思います。
むしろ、YUTAKA、ヒロシマ、YMOと言ったミュージシャンの名前の方が有名だと思っています。前述した日本で人気のバンドと海外で名前を知られているミュージシャンの差は何でしょう?
 ずばり、海外のミュージシャンが持っているものが有るか無いかです。
日本で人気のグループは、既存のFusionサウンドの路線の中にあります。王道サウンドというべくサウンドです。
海外で有名なミュージシャンは、日本独特のサウンド(東洋系のメロディや日本の楽器を使って洋楽器にはない音色を持っています)を持っています。
これが大きな差だと思います。

 話は長くなりましたが、このアルバムを手にした時にまず、どちらのグループなんだろうか?この興味が最初に沸きました。
願わくは後者のグループに入って欲しいと思いました。
結果は微妙ですね。
確かに日本の童謡や日本の音楽をやっていて、日本の情緒を感じます。しかし、彼女の根底はクラシックとJAZZが根付いていて、テーマは日本のメロディですが、インプロビゼイションになると、日本のメロディではなく完全にJAZZの世界です。
 日本人が聴いた場合、ベタにならずスマートに仕上げているので好感が持てるでしょう。海外の人はもっと日本的要素を期待するんではないのだろうか、でも案外、きれいにJAZZ風にまとめてしまったのでこれぐらいガ丁度良いのか、日本人なのでそこらへんの感じ方がよく分りません。そういう意味で微妙かな??と思った次第です。
オリジナルの「東京狂詩曲」というのが、古き良き日本のイメージではなく、現代の日本という感じだったので、根本的にコンセプトは、日本情緒を出すより、ベタにならずスマートにJAZZとして取り込もうというものなんでしょうね。

 日本の童謡を取り上げた場合、やりすぎると赤面してしまうような演奏になる、あっさりしすぎると日本の情緒を感じないという難しいテーマであると思います。
この作品はそういう挑戦を行ったことで非常に面白く聴いてます。丁度、中間からJAZZよりの路線であり、これはこれで成功しているんだろうなと思います。
一度、外国人に聞かせて、どんな感想を持つか興味あります。

☆「和」に興味のある人は特にお勧めします(アスワン)

   
Slow       Speedy
Light   Heavy
Mellow   Hard
Lyrical     Cool
Melodious   Out of melody/code
Conservative     Progresseve/Tricky
Ensemble   Interplay

¥3,000 6/5/2004 新宿タワー