Urbie Green(tb),David Matthews(elp),Grover Washignton Jr.(sax),
○骨太いストレート系 ○明るく爽やか系 ●骨太系と爽やか系の中間
CTIレーベルの再発CDは何度も、何度も、何度も・・・出ていて、しかも一度に多数出るので、雑誌の紹介ではまとめられて、1作ごとの解説スペースが小さい。
そんな小さい扱いの、このアービー・グリーンは全然名前も知らなかった人で、タワーレコードのFreeペーパーを見なければ買わなかったCDです。 無名トローンボーン奏者のCTI作品・・・それは唐突にチック・コリアのCaptain Marvelで始まる。これがまたデヴィッド・マシューズの軽めのアレンジが効いた、FUSIONでは珍しいビッグバンド・サウンドなのだ。この曲で1stソロがこの作品の主人公のアービー・グリーンであり、この曲でトロンボーン・ソロというのも珍しいのだが、これがなかなか軽快で気持ちよい。また、2ndソロはグローバー・ワシントンJrがとり、最後はビッグバンド・アレンジで締めくくる。 ここでおや?っと思った。表向きはアービー・グリーンの作品だが、実はデヴィッド・マシューズのFUSIONビッグ・バンド&フューチャーリングにアービー・グリーン、グローバー・ワシントンJrだということがはっきりわかるのだ。 美しいバラードYou Are So Beautifulでもグリーンのトロンボーンが柔らかいメロディを吹き、そのバックにフルバンが、そしてそこにワシントンのSAXが絡む・・・これが基本なのであろう。激しい曲でもそのパターンはくずれない。 きっとマシューズはトロンボーンをメインにした作品で、かつFusionテイストなビッグバンドをやろうとしたのであろう。しかし、トロンボーンだけではソリストとして物足りないので、サポートにワシントンのSAXを2ndソリストに加えた・・・そのまんまのサウンドである。 なのでアービー・グリーンには失礼だが、実はデヴィッド・マシューズの作品に考えて間違い無いでしょう。選曲もホレス・シルヴァーのタイトル曲はともかく、ピーター・フランプトンI'm In You,スティービー・ワンダーI Wishなど、このベテラン・トロンボーン奏者(1926年生)にしてはかなり新しめな曲だ。
ところで参加者で1つ笑えるのがジョン・スコフィールド。今と全然違って、カッティングなんて決まってるし、ソロなんかジム・ホール直径でまるでオーソドックスなのだ。これはあまり目当てにはしないで欲しいけど、そう思って聞くのもまた楽し・・・。 # 期待しなかった分、楽しく聞ける作品でした。(TKO)
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