2000 Best Albums
TKO

2000年というこの1年は、世間で騒ぐのと同様に、多くのミュージシャンも力の入った作品を数多く出してきたと思います。しかし、だからとどれも彼らの傑作かというと、それは言い切れない・・・。それはそうでしょう、皆新作にBESTを尽くすだけに、2000年だからと傑作が出来るとは限りません。とはいえ、その中でもさすがミレニアムにふさわしいな・・・そういう作品が出ていたと思う1年でした。自分のこの10枚を以下に順位をつけた順番に並べました。

Pat Methey 「Trio -> LIVE」

今年はこれが断トツの傑作ですね。スタジオ盤も素晴らしかったのですが、こちらのLIVEはそれを上回ってました。メセニーが満を持して出すLIVE(Travels,More Travels)はどれも素晴らしく、本作もまさにそれらに比肩する傑作になりました。日本のBlueNoteでのLIVEの記憶が甦るだけでなく、そこでのLIVEまで収録されのがミレニアムに出されるなんて・・・。

Jay Beckenstein 「Eye Contact」

FUSIONの老舗バンドであるSpyroGyraのリーダーかつSax奏者のベッケンスタイン。なんと彼がリーダー作としての初めての作品を出しました。バンドで聴けるサウンドも当然ながら踏襲しているのですが、ここまで良い作品とは。車のBGMには本当にお世話になりました。いわゆるスムースJAZZにカテゴライズされてしまうのでしょうけど、そこには気持ちをHighに持ってくる、ベテランならではの味付けが絶妙な傑作です。

Chick Corea 「Solo Piano Standards & Originals

チック・コリア・・・・このヴァーチュオーゾがミレニアムに何を出してくるか・・・ 何でもござれのチックなので、どんな作品でも(JAZZ、Fusion)出てくるかは想像し てました。しかし、まさか一番シンプルなソロ・ピアノで来るとは・・・。なのに内 容が秀逸、嬉しい誤算でしょう。特にここのところ4ビートJAZZに傾倒したチックだ けに、チック本来の味がモロでるソロ・ピアノ、それも2枚同時は素晴らしいと思い ます。

Fourplay 「Yes,Please!」

ギターがカールトンになり、ますます彼のギターがバンドの中枢に落ち着き始めた昨今。彼のギターがバンドに益々なじむというよりも、もともとカールトンがオリジナルだったのではと錯覚するほど、素晴らしい作品に仕上がってます。このバンドはまさにスムースの代表バンドに位置づけられるほど確立してますが、やはり聞き所をはずさず、軽く聞き流すもOK、その反面熟聴きしても納得・・・そんな1枚です。

Ralph MacDonald 「Trippin'」

リユニオンで再びリーダー作をコンスタントに出し続けているマクドナルド。ベテランならではの味、音楽性もありますし、Fusionだけにとどまらず、R&Bなどの音楽エッセンス・・・80,90年代にかけてのポピュラー・ミュージックの集大成を聴く思いです。

Steely Dan 「Two Against Nature」

予期しなかった再結成、そしてLIVE。それがついにこのミレニアムにSteelyDan名義の新作に至りました。マニアまでいるバンドだけに、新作は賛否両論に分かれましたが、やはりそういう意味でも押さえておくべき作品でしょう。個人的には大感激・・・
お気に入りの1枚です。

Michel Camilo & Tomatito 「Spain」

いま、一番乗っているアコースティック・ピアニストといえばミッシェル・カミロでしょう。トマティートと組んだデュオは丁々発止の、なにが起こるか予測できない、素晴らしいインタープレイ満載です、それよりも彼らのテクニック、ストレートな味わいが格別です。

Charles Lloyd 「The Water Is Wide」

渋いベテランSAX奏者のチャールズ・ロイドは一時期B級などと評価を下げた人ですが、 地道な活動でいつしかNO.1のバラード吹きなどと言われてます。新星ブラッド・メル ドーとの共演が本作の聞き所ですが、やはりロイドのバラードに耳傾けたいです。

George Benson 「Absolute Benson」

ジョージ・ベンソンも今はやりのラテンを導入して新作を出してきました。この人は停滞と言う言葉を知らないのか、常に話題の作品を出し続けています。本作もミレニアムを意識したかのように、楽しい作品に仕上がってると思います。

Grover Washington Jr 「Aria」

1999末の急逝により、彼自身はミレニアムに残れませんでした。しかし、彼の最後のリーダー作であろう作品がリリースされました。オペラのアリア集ということで、音楽こそ純然たるFUSIONとは違うのですが、彼のSAXこそがそのまんまFUSIONだったと感じる事が出来ます。


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