ここしばらく彼の作品聴いてないなあ、なんて思いながらCD店で新作を見かけたんですが、店内の案内に「初の全曲エレアコギターによるバラード集。ゲスト、リー・リトナー。」なんて書いてあり、それに乗せられてつい手が出てしまったものです。 本作は自己のレーベル「LAGOON RECORDS」の記念すべき第一作となるもので、さぞがし肩に力が入っただろうな、と思いきや、実際に出てくる音は“リラックス”の一言で、まるで桃の天然水のようなさわやかさ!正直やや肩すかし気味のところもあるのですが、まあこれはこれで夏に効く(聴く)音なんでしょうね。案内通り全編アコギ(エレアコ)で演奏されていますが、近年はピーター・ホワイトはじめこの手の音もよく耳にするので、特に目新しいものではありません。 曲目は、セルフカバー4曲、他のカバー4曲、新曲1曲の構成ですが、セルフカバーの比重が大きいと感じました。特に途中に出てくるメドレーでは往年の名曲の連発で、ある意味、彼のメモリアルアルバムともいえるものでしょう。注目のリトナーとの共演は、かつての名盤「An Insatiable High」を期待する人もあるでしょうが、あの頃の彼らの若々しさを望んではちょっと酷か?!・・・今回共演ははじめの一曲だけで、それもよく聴かないと、「どれがリトナーの音?」と思ってしまうくらい控えめなものです。あしからず・・・・。(ここんところリトナー師匠には、はずされっぱなしですなぁ…。) キティレコード時代の高中氏の作品に熱中した者の一人として、懐かしい思い出の詰まった一枚といえるものです。 ☆「Oh! Tengo Suerte」とういう曲、これをセルフカバーするのは2度目だと思いますが、今回非常にオリジナルに忠実なフレージングを聴かせてくれたのには感心しました。(セリエJ)
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