まい

なぜだか妙に大量な文章となってしまいました。しかも、よくよく読み直して見ると、単なる年寄りの思い出話のようになってしまってます、とほほ。…とはいえ、考えて見れば、ある時代に重要なアルバムというのは、結局その時代を生きた自分にとって意味深いアルバムでもあるわけです。(長々と書いた前節が、なぜか言い訳のようにも見えますが…。)

迷いに迷った末、比較的新しい中から、今現在の、そしてこれからのJazz/Fusion界につながる名作を選びました。後ろ髪引かれたアーティストとしてはSpyro Gyra、 Stuff、 Larry Carlton、 George Benson & Earl Klugh、Mike Stern & Bob Berg…迷っちゃうときりがないですね。

Rippingtons 「Tourist in Paradise」(1992)

彼らの1stアルバムTourist in Paradiseが出された1989年、日本はバブル絶頂期、音楽シーンでもFusionはかなり円熟味を増しており、誰ともなく新しい音を待っていた時代ではあったと思います。そんな時代に彼らは、このアルバムを引っさげてまさに彗星のごとくに現れたわけです。当時、メンバーは、全員ソロとしてもバックミュージシャンとしても、ほとんど無名に近かったと思います。

私が彼らの音を初めてライブで聴いたのは、渋谷Primeのせいよう広場でした。6人で作り上げるそのトータルサウンドが、想像をはるかに超えて厚く、それでいて風の如く流れを持ち、非常に澄みきっていたことを覚えています。同じJazzという物語でありながら、全く異なる言語で語られているような、まさに新しい感覚でした。 

特筆すべきは、やはりリーダーRuss Freemanの作曲能力でしょう。憎いくらい気持ちのいい転調、「あれ?」と思わせる意外なコード進行、さりげなく泣かせるメロディ。1曲1曲すべての要素が、彼の曲作りの才能の素晴らしさを証明しています。本人曰く「演奏するよりも、曲作りの方が好き。」とのことらしいですが、最近では、すっかり演奏にも余裕が出てきて、ますますライブが充実してきています。(最近ではオクターブ奏法もさりげなく織り交ぜてますからねえ。)

その彼らの、輝かしいキャリアの出発点がまさにこのアルバムと言えます。「さわやかで元気な西海岸Fusion」といった枠だけに収まらず、Latin AmericaやらPacific Islands、Native American Musicやらの独特の味付けをうまく練り込んで、まさにタイトル通りの音楽的Paradiseを旅することができるアルバムです。お奨めはもちろんタイトル曲ですが、個人的にはOne Summer Night in Brazilでの、Russの美しいアコースティックギターとJeffの骨のあるサックスとのコンビネーションが一番のお気に入りではあります。

Joe Sample「Carmel」(1979)

何と言っても、Joe Sampleらしい独特のメロディとハーモニーが秀逸なタイトル曲を聴けば、「確かに、これぞ!」と思われる方も多いのではないでしょうか。彼の愛したCaliforniaの海辺の静かな町Carmel by the Seaの風景が、まるで絵画のように表情豊かに表現されています。Montereyの空港から20分程のところにあるこの小さな町は、多くの芸術家が愛したことで分かるように、花に満ちた心休まる静かな町です。あの有名なPebble Beach Golf Courseが見える白い砂浜に打ち寄せるゆったりとした波、それにさざめく海辺の木々・・・。この、自然の物語が、アルバムの中で情緒豊かに語られていくのです。

また、Joe Sampleの流れるようなピアノは、Stix Hooperの小気味のいいドラムと重臣Abe Laborielの絶妙なリズムセクションが緩やかにからんで、一瞬クラシックのような高潔ささえも感じることもあります。タイトル曲Carmelの他、軽快なリズムのCannery Row(Montereyにある港沿いの通りの名)、Sunrise、More Beautiful Each Dayなど、まさに名曲ぞろいですね。こうした彼の魅力は、Jazzならではの情緒豊かさを持ちながら、Fusionならではの素直な心地よさを湛えたメロディとリズムにあるといえるでしょう。ジャズはジャズでも、土の匂いは強くない…ただ澄んだ音の奥深くに心打つ何かがある、そんなちょっと照れてしまいそうな言い回しが妙に当てはまるピアニストだと思います。

Rainbow Seekerと非常に迷いました。Rainbow Seekerにはタイトル曲を始め、リズミックなThere are Many Stops along the Way、寂しげながら柔らかなソロが印象的なMelodies of Love、Fly with the Wings of Loveなど名作がてんこ盛りになってますからね。最終的には、よりJoe Sampleのメロディアスなピアノが楽しめる、このCarmelを選びました。

Lee Ritenour & His Gentle Thoughts 「Gentle Thoughts」(1977)

このアルバムを聴いた時に、松田勇作如く「なんじゃこりゃ〜。」と思われた方も多かったのはないでしょうか?リズムといいメロディといい演奏技術といい、すべてが新しいものづくしで、本当に当時の音楽シーンに、多大なショックを与えた鮮烈なアルバムだったと思います。Ritenour自身については、日本で特にヒットしたCaptain Caribeや怒涛のCaptain Fingersなど、ともすれば演奏技術のみがクローズアップされることが多かったようですが、私としては、彼の卓越した演奏技術以外に、1曲1曲のメロディ、リズム、ハーモニーなどすべてが本当に革新的なもので、評価すべきだと思います。

かっこいい、自分たちも真似してみたい、いや、実際真似できるかも・・・そんな風に思える憧れのミュージシャンとしては、彼はまさに時代の中の適役だったに違いありません。特殊業界用語(?)「ギター小僧」が生まれ、Fusionが非常に身近なものに変わっていったのには、彼のこのアルバムの功績が大きかったと思います。当時、実際にRitenourを聴いて育ってミュージシャンを目指して、そして現在成功しているプロの方も多いと思います。

ヴォーカルを積極的に取り入れたり、ブラジル味を加えてみたり、4ビートに急接近したりと、常に新しいことに挑戦しているRitenourが、最近クラシックとのクロスオーバーを実現したということは、ファンの皆さんなら周知の事実でしょう。個人的にはブラジル味のFestivalなんかもかなりお気に入りです。ここではあの名作Rioと迷いました・・・が、個々の作品の素晴らしさに加え、その時代の音楽シーンへの影響度を考慮した結果、Gentle Thoughtsを選びました。
(ネット・ラジオ : Captain Fingers)

Casiopea「20th」(2000)

コアなファンの方には怒られそうですが、数々のスタジオ盤ではなくこれを選んだのには理由があります。それは、彼らには、あまりにも多く名曲があり、それらが数アルバムに分かれているため、1枚に絞りきれなかったということです。この20thの1曲Flash Backにかなりの数の名曲が網羅されていると思います。(私の好きなAir Fantasy、 Swearはありませんでしたが・・・)。このアルバムのおかげで、久しぶりに彼らの音楽を思いだし、聴き始めたら再びハマったと言う、働き盛りの30代の方はかなりな数にのぼるのではないでしょうか。言わずと知れた日本のFusionバンドの草分けです。当時中学生から高校生ぐらいだった日本の少年少女は、少なくとも一度は彼らの曲を耳にしているでしょう。彼らの音楽の特徴は、まさに強烈な個性といえます。それは、単にその時代に新しかったとか目立ってたとかいうような単純なことではなく、曲を聴けば誰もが「あ、Casiopeaの曲だ。」と分かるほど、はっきりとした音楽的個性を持っていたということです。

数度のメンバー交代があった中で初期のメンバーについてお話すれば、リーダーの野呂一生の日本人独特のわびさびを感じさせるようなギター、向谷実(Keys)の軽妙なキーボード、桜井哲夫の迫力あるベース、神保彰 の小気味よいドラムス、この4人のハーモニーが、まさに唯一無二のCasiopeaサウンドを作り出しています。デビューの頃から、その西海岸のStudio Musicianとは全く異なる「日本のFusion」を作りだした立役者として、揺るぎ無い地位にあると言えるでしょう。その彼らの今昔物語が、この20thにすべて盛り込まれています。その意味では、一番泣けるのはやはりあのメドレーでしょうねえ。最近の曲から順に時代を遡っていきますから、自分がどの時代にCasiopeaに一番ハマっていたのかがよくわかります。また、最後の曲Fightmanには彼らの変わらないパワーがみなぎっており、あらためてこのオバケミュージシャン達の底力を感じます。あ・・・Make Up Cityあたりも聴きたくなっちゃいますね。

David Benoit「Summer」(1986)

おしゃれなContemporary Jazzは、この人からだったのかもしれません。軽井沢のテニスコートでの野外ライブに先駆けて発売された初期のアルバムです。最近になってこのアルバムの中の2曲が入ったコンピレーションアルバムが出来たようですが、私が選ぶBenoitの名曲Oceanaもその中に含まれています。流れるようなメロディと、あくまでもさわやかな風のような指運びは本当に素晴らしいですよね。ただ、重要なのは、単に通り過ぎてしまうだけの、さわやかなだけの音楽でないということ。彼のルーツはあのBill Evansの作り出したリリカルなジャズピアノであり、彼の音楽には、さわやかな中にもひとひねりされたハーモニーと流れるような指運びによる情緒的なインプロヴィゼーションがしっかりと入っているのです。オーケストラとの共演でも、彼独特の音楽シーンが描かれていますよね。

Freedom At MidnightやThis Side Upも印象的なアルバムですが、やはり名曲Oceanaに敬意を表してこのアルバムを選びました。

Fourplay「Fourplay」(1991)

なんといってもメンツの豪華さが衝撃的でしたね〜。あのLee Ritenourに、あのHarvey Mason、そこにNathan Eastと、驚きのBob James・・・。一体どんな音になることやら、1曲目を聞くまで想像もできませんでした。早速聴いた1曲目の印象が「か、かっこいい〜!」。そのドライビング感といい都会的な響きといい、今までになかったような音楽でしたね。しかも、メンバーそれぞれの個性がほどよくにじみ出ているところがまた憎いんですよ。相変わらず柔らかい音のはじけるようなLee Ritenourのギターに、ちょっとクラシック風な高潔さを感じさせるBob James。この2人の組み合わせに、タイトなリズムを黙々と刻むHarvey Masonとボーカルとのユニゾンが個性的なNathan Eastが加わって作り出されたのが、土臭さがない洗練された音でありながら、なぜかひどく情緒的なメロディとハーモニー・・・一見相反するようなこの2つの異質な響きがしっくりときている音楽なんですよね〜。特にそれを感じるのが2曲目の101Eastbound。Ritenourのギターは、日本的に言うと「演歌調」にさえ聞えてしまいそうな泣かせるメロディーなのに、バックのリズムとハーモニーはあくまでタイトでクール。この不思議な組み合わせこそ、Fourplay音楽の醍醐味といえるのではないでしょうか?誰が最初にやろうって言い出したのか定かではないですが、本当に偉大なコンビネーションだと思います。RitenourからCarltonへのメンバー変更については賛否両論がありますが、私個人としては、Carltonが「RitenourがいたFourplay」というよりは、全く新しいユニットのメンバーという意識で、音楽作りしていってくれるのであれば、よりいいと思うんですけれど、いかがでしょう?ちなみに、彼らのクリスマスアルバムSnowboundは素晴らしい出来でしたよね。あれには脱帽でした!

Yutaka「Yutaka」(1988)

これには異論のある人も多いとは思います。でも、最初に、非常に日本的なFusionを海外でやろうと頑張ったのは、彼ではないかなって思うのです(今だと、Kazu & Keiko Matsuiご夫妻でしょうか)。その意味で、Dave Grusinへのあこがれと自分の才能を信じる心だけで、アメリカに乗り込んだ彼の度胸に敬意を表したいと思います。このデビュー作は1988年にリリースされたものです。全曲が彼の琴とキーボードが中心で、選曲にはAkatonbo(赤とんぼ)が顔を出したりと極めて日本的なアルバムです。

しかし、この中で最もオンエアされてよく耳にした曲は、2曲目のWarm and Sunny Sunday Morningだったのではないでしょうか?Fusion系のボーカリストPauline Wilsonと共にYutakaの渋いボーカルが不思議な無国籍感をかもし出しています。曲全体はBrazil風、そこへYutakaの琴の音色が優しく解け込み、なんとも言えない安らぎの音楽になっているのです。この曲でアピールした不思議な無国籍感と彼の渋いボーカルは、その後のアルバムBrazasiaやAnother Sunでもたっぷりと楽しむことができますから、そのことから考えてもこの1枚目のアルバムの意味は大きかったと思います。1曲目のColors Of the Windも非常に印象的な曲で、彼の琴の流れるような響きと音色を十分に堪能できますしね〜。残念ながら最近はあまり表舞台での活躍がないようですが、風の便りに音楽プロデューサーとして活動しているようなことを聞きました。ぜひJazz Koto Player & VocalistのYutakaとしてのアルバムを出してもらいたいです。

Pat Metheny Group「Letter From Home 」(1990)

この人も、アルバムを選びのに苦労しました。確かに、名作を作り出した、時代に名を残す芸術家だけれど、どのアルバムが最も「彼の彼たる所以」を表しているのか…。結論として、これが最も素直に音楽に彼らしさが現れているのではないかと思い、選びました。

ところで、Methenyらしさとは、一体なんでしょう?あの独特の丸みを帯びた音なのか、流れるようでいて所々に一音一音を印象的に残していくあのソロなのか、それともあの1人入り込んでしまう演奏姿勢なのか?…って最後の一つは別として、なかなか説明するのが難しいものです。私はあえて、「音楽全体」としたいと思います。Lyle Maysとの共同作業で生み出される彼らの郷愁を帯びた音は、決してさわやかではないですよね。ただ、ずっと昔に出会ったような、何かすごく懐かしいものに再会した時に感じるような、不思議な喜びと安心感を与えてくれるような気がするのです。その不思議な安心感を最も強く感じさせてくれる要素が、MethenyのギターとPedro Aznarのユニゾンでしょう。あの組み合わせは、本当に絶妙ですね。人間の声を一種の楽器のようにとらえ、スキャットでもなくハミングでもなく、まさに「器官を通って出てくる音」そのままを表現手段として使ったというのは、画期的だったと思います。Letter From Homeではそれが非常に強調されているような気がします。Methenyの柔らかなギターの音とPedro Aznarの広がりを感じさせるような響く声。Have You HeardやBeat70は、当時J-waveでも盛んにオンエアされていましたし、耳にした方も多いのではないでしょうか。(当時のライブも、本当に素晴らしいもので、職人Methenyの技を存分に堪能することができました。)

また、Letter From Homeのアルバムのテーマ自体が、彼の郷愁を誘う音とマッチしていたと思いますね。(1枚前のアルバムStill Life (Talking) のLast Train Homeから既にしみじみと感じられてますが、)各地を転々とする「自分」が、空を見ながら家路を懐かしむ…そんな状況を想像するに難くないメロディとリズムが連なっているのですから。その5年後に出したアルバムがWe Live Here。どんな思いがあってこのタイトルをつけたのかは定かでないですが、何となく物語がつながっているように感じられるのは私だけでしょうか?特にアルバム2曲目のAnd Then I knewなんかは、まさにLetter From Homeからつながる物語の一部に思えてなりません。

個人的にMethenyの曲で一番好きなのは、Bob JamesもカバーしているOfframpの中のJamesです。これはもう〜〜〜泣けてしまう位美しいメロディですよ。

Chick Corea Elektric Band「Elektric Band」(1986)

「あ、これが新しい流れになるのかもしれない。」そんな風な予感を持たせてくれたのがこのアルバムだったと思います。Return to Foreverでの、ジャズでありながらロックのようなちょっと「不良っぽさ」のある音を作り上げていたCoreaのさらなる挑戦とでもいえましょうか。この実験的なバンドのメンバーとして選ばれた若いミュージシャン達が、その後FusionやContemporary Jazzの分野で、しっかりソロで活躍するようになっているのを見ると、Coreaの「先見の明」に感心させられると共に、彼の作り上げた「音楽の流れ」の偉大さを痛感させられます。もちろん、ほとんど無名だったDave WecklとJohn Patitucciがその卓越した演奏技術で注目を浴びるようになるまでにそれほど時間は必要なかったということは、もうみなさまも周知の事実でしょう。(ここから、さらにEric Marienthal、Frank Gambaleなどが巣立った行くわけですが…。)

ライブに行った方々はご存知だと思いますが、あのライブでの迫力、音圧(音量とも違う、音の勢いみたいなもの)、バンドのメンバー同士のソロの応酬は、まさに新しい時代の到来を感じさせるものでしたね。電子楽器を多用するということは、ともすれば人間味のない機械的な音楽になりがちですが、彼らはそこにジャズ独特のImprovisationという、もっとも人間的でもっとも感情溢れた生々しい要素を取り入れることで、機械的でありながら非常に情緒的な音楽を作り出すことに成功していたのだと思います。その、実験的なバンドの最初のアルバムは、やはり時代に不可欠なアルバムだったのではないでしょうか?Eye of The Beholderと非常に迷いました(というのもEricの音が入ってくるのはLight Yearsからですしね。)ただ、このElektric BandにはKing CockroachやRumble、Side Walk、 Got a Match やNo Zoneなど、後々までライブで演奏され続けた名作が含まれていることもあり、偉大なバンドの最初の実験的な1枚ということで選びました。

そうそう…Elektric BandでのCoreaの音楽は、とかく変拍子があったり、拍子の裏からシンコペーションで始まるような、リズムセクション泣かせの曲が多い印象ですよね。それが「理解不能」な音楽ではなく、噛めば噛むほど良さのしみ出る「Cool」な音楽に仕上がっているのは、彼の作曲能力の秀逸さと共に、やはり各メンバーの才能の素晴らしさによるところも大きかったと思います。ほんと、強力なバンドでした。

Dave Grusin「Mountain Dance 」(1979)

この人も迷いますね。Jazz FusionだけでなくScreen Musicの分野にも大胆に進出した人ですから。特に初〜中期のAn Actor's LifeやMountain Dance、Goodbye for Kathyなどは名作中の名作と言えましょう。GrusinのScreen Musicの特徴は、単なるElevator Musicではなく、映画の中の主人公の心情、周りの状況までも映し出すと同時に、音楽としても非常に洗練されたものだったということです。さて、そこで選んだのがこのMountain Danceです。

…ちょっと彼のScreen Musicを誉めすぎましたが、このアルバムを選んだのはもちろんそれだけではなくて、最も「彼らしい音」が含まれているからです。Rag BagやCity Lights、果てはちょっとおどけたCaptain Caribeでまでしっかり自己主張するリズムピアノ。和音の小気味良いシンコペーションが、いかにもGrusin…といった感じでしょう?後のRitenourとの共作HarlequinのEarly AM Attitudeなどにも共通する「彼らしさ」ですよね。流れるようなソロ…というよりは、タイトにリズムを刻む絶妙なハーモニーといった印象の方が強い彼のスタイルは、後々のGreg KarukasやDavid Benoit、Scott Wilkieなどにも少なからず影響を与えたはず。(あのYutakaがあこがれて目指したのが、このGrusinだったのです。)

とにかく彼の演奏スタイルと曲作りの哲学が残したものは、本当に大きかったと思います。Harlequin、Out of the Shadowsと迷いました。ただ、彼自身のソロアルバムを選びたかったということと、そしてやはり名曲Mountain Danceははずせなかったので、このアルバムにしました。

そういえば、最近はめっきりソロアルバムを作らなくなってしまったのが、非常に残念ですね。また、Friendship風にRitenourやLaboriel、Acunaあたりと一緒にFusionアルバムを作ってもらえると嬉しいのですが…。
(ネット・ラジオ : Captain Caribe)